田名網敬一 記憶の冒険 (国立新美術館)と六本木の思い出
先日、六本木の国立新美術館で開催されている「田名網敬一 記憶の冒険」展へ行ってきた。
強烈で圧倒的なパワー。ものすごく見応えのある展示で、4時間くらいかかった。もっと丁寧にみれば、1日中でも足りない熱量と情熱と情報量。
途中、目がチカチカして脳がスパークしそうで、いい意味での混乱状態になった。
とにかくすごいとしか言いようがない。
若い頃、スーパーカーのCDジャケットでその存在を知った田名網敬一。国立新美術館での展示がはじまる頃に亡くなった。とても残念だ。
影響を受けたアーティストがどんどんこの世を去っていく。残念で仕方がない。膨大な作品群にただただ感服する。イラストレーション、コラージュ、絵画、映像、立体・・。その表現方法は多岐にわたるが、どれを見ても田名網敬一なんだ! 強烈すぎる極彩色の個性。
こんなにも力強く、熱く、夢中にさせる作品の数々。すばらしかった。
国立新美術館は以前も来たことがあるが、開放的でワクワクする美術館だ。
帰りは東京ミッドタウンで遅い昼食をとって、六本木の街を少しプラついた。久しぶりに六本木ヒルズにも行ってみた。
自分にとって六本木って、目的がないと行かない街だ。たとえば今回のように美術館に行きたいとか、そういう感じの具体的な目的。
プラっと買い物に行くような街ではない。
でも、ずっと前に勤めていた職場で、そのときは六本木を経由して通っていた。あの頃、仕事帰りにミッドタウンに寄ったり、かなり近い距離で東京タワーを見上げることが日常だった日々を少し思い出した。
残業だらけの毎日で、夜遅く職場のある建物を出て、ふと空を見上げると、東京タワーの煌めきが目に眩しかったあの頃。辛くて苦しくてもがいていたあの頃。なにもかもが懐かしいんだ。
アラフィフだからさ。
自分には新宿や池袋のような小汚い雑踏(←褒めてる)がお似合いだ。グチャグチャで混沌としていて欲望が渦巻いているような、そんな街が好きだし落ち着く。
でも、六本木のような洗練された街も、たまに訪れると楽しい。
普段新宿や池袋に慣れきっていると、休日の六本木がひどく閑散としているように感じてしまう。いや、閑散ってのは言いすぎかもしれない。それなりに人はいる。でも、土日とは思えないほど人が少なくて、ある意味快適だ。
といっても、表面的な六本木しか知らない。きっとこの先も、森美術館とか国立新美術館とかでお目当ての展示があるときに行くって感じだろうなあ。
田名網敬一の図録買ったよ。すごいよ。永久保存版だな。