ハイヒールの靴音が暴力的で怖い
ハイヒールのコツコツコツッカツカツカツって音が怖い。
もう何年も、何十年も前からだ。怖い。怖すぎる。頭がおかしくなりそうだ。吐きそうだ。
駅で街中でオフィスで・・あらゆる場所で聞こえてくるあの音。私にとっては暴力だ。
ハイヒールのあのコツコツコツって音って、なんとなくだけどパワハラをイメージする。パワハラを音で表現するなら、ハイヒールの暴力的な音がしっくりくる。
他者をじっくりと時間をかけて極限まで追い詰める音。きれいに美しく装った影に潜む暴力性。
こええええ、ハイヒールの音が怖い。怖いったらない!!!
50年近い私の人生の中で、これまで出会ったハイヒールの音を暴力的に鳴らしてきた女性は、ことごとく苦手なタイプだった、ということもおそらく影響している。
でも、駅や街中で、不特定多数の女性たちが発するハイヒール音も怖いので、やっぱりあの靴音自体が何か恐怖を連想させる音なんだと思う。
そんな自分なので、当然ハイヒールなど履かないし、ヒールのある靴は基本避けている。最近はもっぱらスニーカーだ。
スニーカー、最高。どこまでも遠くへ行ける。最高。
たぶんハイヒールという強制された女性性、自由を奪う拘束具、でもそれを美しいとして履く女性、という、うまく言えないがダブルスタンダードな感じが苦手で怖いのかも。
ハイヒールは、どう考えても健康によくない。でも、歳を取ってもハイヒールを履きこなす高齢女性を称賛したりする風潮もある。
たしかにあんな苦しく不便なもの、現代の纏足を自ら進んで装着しようとするなんて、マゾチックである意味すごいとは思うけど、やっぱり身体を痛めつけるものだという感情が消えない。
もちろんハイヒールが好きで履いている方も多いと思うし、ハイヒールを履いている人自体を全否定しているわけではないけれど、正直に言うと、ハイヒールの音が怖いしハイヒールを爆音で鳴らす女性が怖い、その事実は決して変わらない。
駅の階段をハイヒールでくだる女性、体重が下にかかるせいで、靴音が平たい道を歩いているときよりも3割増しくらい爆音になってて、あれが特に怖い。
コツコツカツカツを通り越して、ガンガンガンガンッ!!!って音。工事現場か?って音。
背後からあの音が聞こえてくるとき、叫び出したくなるくらい怖い。
あー、こわい。こわい。
心臓に悪い。
ハイヒールを履いている人は、気配を消せない。自分の存在感を周りに知らしめずにはいられないんだ。私はここだ!私はここにいるよ!!!って騒がしい。
そう、騒がしい。